2012年5月27日日曜日

BRUSSEL 3

さて、
明日ブリュッセルを発ち、明後日東京に戻ります。

明日午前中の飛行機なので、なるべく寝ずに今晩は過ごすつもりですが、正直全く自信がありません。この際余裕に余裕重ねて無睡の朝一で空港行くつもりですが…
記憶が鮮明なうちに、日記でも書こうと思います。この一週間のこと書くので、多分長いです。


着いたときは天気最悪だったブリュッセルも、ここ2日くらいすっごく天気も良く、まだ5月なのにすぐ脱いじゃう外国人よろしく薄着でのりのりでした。

本当に、居られるならもっと居てダンスとか演劇とか観たいものはたくさんあるのです…
私の知らない所で面白いこといっぱいあると思うと、無性に悔しい。
この先の告知とか、パンフレットとか観ていると帰りたくなくなる。
かといって無限のインプットはそれはそれで怖くなるのですが… 有限だからこそ意地でも毎日チケット取りに行った感じだけどね。

観光で行くならば、観光地はいつだって私たちを待っていてくれるわけです。
観光地巡るだけなら全部で一週間で十分。
しかし舞台を観るとなると、一日に頑張っても2本しか観られないし、先に面白そうなのがやっていても私がそこで観られないんじゃしょうがないのです。
だから3週間くらい、長い時間が必要だったわけで、かつなるべく同じ都市に留まっていなければやりくりが分からないのです。

街にいる人がどういう生活をしているのか、雰囲気も少しは分かるし、だからこそどういう文化があるのかも多少は分かる気がします。
まぁでもやっぱり、言葉が分からないのは辛いな。

ブリュッセルはやっぱりちょっと怖い街です。別に怖い目にあったわけでもないけれど、バリバリ観光地と、少しでもそこを離れると地下鉄の駅には誰も居なかったり、不気味な路地が多かったり、ギャップが激しい。
人種も様々で、劇場が遠くて中心地から飛ばされるとちょっとしたスラムっぽい所も沢山ありました。多分場所によって住む人が分かれてる。
ついぞ最寄りの駅越えた飾り窓地帯には足を踏み入れず仕舞いでした。


ブリュッセルはそんな感じでしたが、
KUNSTENFESTIVALはかなりやばいです。いい意味で。

が、まぁ今日観たのは正直金返せってくらい酷かったな。笑
学芸会かオイってくらい。
しかも宣告してた時間より長いし、みんなぐったりだったわ。

しかも、このしょぼいダンサーなんなの?!引っ込めー、と思ってたら突如日本語しゃべりだしてさらにがっかり!

バレエカンパニーらしいんだが、誰一人としていいダンサーが居なかったという凄まじさ…
"振付をこなす"ダンサーは大嫌いなの、最近。観てても何も感じない!


酷いのはまぁ置いといて、
他観た4本はかなり興味深いものばかりでした。

Marcelo EvelinとBrice Lerouxのダンス作品は、もはやかつて私が観てきた振付のある"ダンス"というのを越えて、なんというか、"システムに振り付ける"という感じの。
例えば日本人で言えば勅使川原さんの作品を観たときにも感じる、なんて言えばいいんだろー、
振付の一つ一つを身体言語という扱いにするのではなく、動く理由というか、身体の運動そのものに命令に近い形で課せられる振付というもの、拘束する、そう、ルールに近い様なもの。そのルールが振付。
なんのこっちゃ、て感じだけど、動きとしては、Marcelo Evelinのは走ってるだけ、Brice Lerouxのは歩いてるだけなのです。
まぁ言葉にすれば簡単なんですが、どちらもそれを作品にするための方法(演出)がとんでもない。

Marcelo Evelinの作品は、男性7人と女性1人の出演者が全員全裸。
身体の一部(背中や太腿、腕など)にノコギリをガムテで巻いて、頭にはカーニバルちっくな派手な被り物、脚はスニーカーという格好。
それで一時間近く舞台の外周を延々と反時計回りにランニングし続ける。最終的には個々人の揺れてるモノとかどうでもよくなるんだよね。笑
BGMはシューベルトの弦楽五重奏。

苦しそう。でもなんか走ってる。たまにダッシュしたり、動物みたいな動きしたり、手を動かしたりする。
それらを飽きるというより、ぼーっと観てしまう。観ている方に何かを刷り込ませる。猛烈なメタファーであるのはわかるんだけど、何のメタファーなのかは分からないけど、なんか全裸で走ってる人がいるという光景。

最初にこれ観たものだから、空いた口が塞がらなかったわ。
途中で帰る客も居たね。


次に観たBrice Lerouxはさらにシステマチック。
Seth Horvitzという人が製作した全自動グランドピアノが舞台上手前にあって、演奏(当然無人ね)が始まるのですよ。ピアノの上には直径1m位の青白く光る玉が。
そうすると下手奥に、腕と胸から上出した、白い板で出来た正六角錐のドレスみたいなの着た人がゆっくり歩いてるんです。
これがねー憎いもので、床にちゃんと透明のプラスチック板敷き詰めてあって、綺麗に反射するのですよ。まさに水面をアメンボが音もなく移動する感じ。
六角錐の人は音に合わせて、んだか合わせてないんだか分からない感じでゆっくり歩いてて、しばらくすると六角錐の人もう一人出てくるの。
二人でゆらゆらと水面を漂ってると、また一人六角錐の人が出てくる。しばらくしてもう一人、また一人と六角錐の人は増えて、最終的に五人の六角錐の人が付かず離れずお互いに距離感を保ちながら舞台上を滑っている。どうやら小さいタイミングの決まりと歩くルールがあるらしい。

その間にピアノはゆーっくりと、気づかないうちに上手前から下手奥に移動している。終始光る玉のみの照明なので暗い。
最後にはなんか、実際の六角錐と反射した六角錐が合わさって細長い独楽みたいなのが六つ、不思議な空間の中でくるくる回ってる様に観えて大変不思議な感じでしたわ。


長くなってきたけど、あと二つ書くぜ。二時半だ。


三つ目に観たのはKonel Mundruczoの演劇。もとはこの人映像作家らしい。
これは!すごかった。
ノーベル賞作家のJ.M.Coetzeeの"Disgrace"という小説の舞台化。
セットは完璧に家を模した感じ、小道具充実し過ぎ。舞台前方には土の庭が。

あったこと全部説明したい位だけど長いから、特にすごかった所、

冒頭が20分くらい、まじでレイプシーンなんだよね。集団レイプ。突然家に押し居る男たちから始まり、女優の演技というか行われていることがあまりにもリアルで、絶叫から、殴る蹴る暴行も、死んだ犬を入れてた檻に女入れて後ろからヤって、犬の血を浴びせるとか、目を開けてるのが辛い感じ。でいきなり帰る客とか。
いつまでつづくのもうやめてあげて…というとこで急に男たちはサイレンで居なくなるんだけど、部屋に取り残された女のぐったり感、虚脱感凄まじく…
と、いきなり明るい音楽が流れて、レイプしてた男たちもその女も他の出演者もみんな歌い出すのー泣
しかもおもちゃの鉄琴とかトライアングルとかシンセ使って明るく演奏してるし。
やられた…と思った、何をやられたんだかわからんが、とにかくなんかすごいモノを観てしまった感じ。ぽかーんとする。

まぁその後は言葉が分からんかったり(多分ハンガリー語の上演に、フランス語とオランダ語の字幕)したけれど、
超名演技するやる気ない犬が出てきたり、セックスシーンがあったり、舞台のセット全部運び出したと思ったら下が全面土で、そこにバラを植えてったり、土からスモーク出てきたり、犬切り刻んだり、老夫婦のベットシーンがあったり、人間がみんな犬になって吠えまくってたり、いろいろカオスでした。
俳優はみんな演出家の映像に出てる?らしく、たいてい割とマイク使ってたけど、その分セットの緻密さと演技の緻密さが不可分なく適応してました。
舞台の嘘に映画の本当をぶち込んだ感じ。

しかもこの演出家、まだ30代だった気がする、次の作品も観てみたい!、が日本にくる可能性は限りなく低そう…
映像作品探してみようかな。



さて、あと、四つ目に観たのは、
Young Jean Leeという人のパフォーマンス作品。

これは、パンフレットにすでに太った女の人たちの全裸写真(モザイク有)が載ってたので、心して全裸であることに立ち向かえた。

まーやばいね、肉。
超巨乳、というか多分100kgオーバーなんじゃね?て人のバスケットボールのような乳とか。太ってるのに貧乳のボーイッシュなおばさんとか。
みんなぶるっぶるしてる。

タイトルが"UNTITLED FEMINIST SHOW"という、まぁそういう内容ですねって感じ。だけどかなり笑える。しゃべりこそしないんだけど、表情豊かだし、下ネタばりばりで下らないし、黒人が下手くそな歌唄ってるし(ずるい)、なんか開け放っちゃってる感じが非常に清々しい。
楽しそうだし。

ここで始めて、おお、これダンスじゃない、という振付らしきモノを見たけど、全裸だし、完全にギャグになってたのはすごいね。

カーテンコールにはみんなちゃんと服着て出て来たんだけど、それが案外街で見かける普通の女性のスタイルなのですよ、
んじゃここの人たちどんだけ太ってるんだ?と言いたくなるわ。

帰って自分の身体鏡で見たら貧相なこと!笑
さらにこっちで痩せた気がするし…(食べるもの見つけられなくて)


まぁ、そういうかんじ。
なんか全然書き切れてないけど。

そしてあれだよね、面白いのは、結構エログロ系のはお客さんが、舞台の全面横切ってでも途中で帰るんだよね。笑
ブリュッセルのこの企画がいろんな国や地域から色んな作品呼び集めてるのに、当のブリュッセルの人たちが嫌悪感を示すというなんとも攻めの姿勢のフェスティバルでしたわ。笑える。
当然、楽しんでる人の方が多いだろうけどね。


久しぶりに、自分がどっぷり舞台観てはまっている感覚が楽しかった。

言葉で書いたのはほんの一部だけだけど、むしろそれらの感覚を的確に表す言葉が私にはないんだけど、
一つずつの作品が予想不可能で真新しい経験で、
そうだよ、この感覚が面白いんだ、とあらためて思った。


また観に来たいと思うフェスだったなー。




さて三時過ぎたか。

2012年5月24日木曜日

BRUSSEL 2

今日は観劇お休みです。
チケット取れなかったので。



朝、ホテルから歩いてたら大きな教会がお昼の鐘を鳴らしていたので、つられて入ってみた。

キリストの磔刑の木彫が気になった。
手二箇所と重ねた脚一箇所で人って磔になるのか?とか改めて考えた。

それにしても、キリスト教ってやっぱりすごい。こっちの教会は本当に身がすくむほど綺麗で大きい。

しばらく木彫を見ていたら、1€のろうそく点けて熱心に祈っているおじいさんもいれば、フラッシュ焚いて写真撮る観光客も。
世界でどれだけの人がキリストを信じているのか、想像してみる。
宗教って不思議だ。



さっき、観劇しない代わりにムール貝を食べてみた。
多分、この旅行中最も高価な食事でした。舞台より高い。

貝は美味しかった。
…ムール貝っていつも殻の大きさの割に身が小さいから、本場で食べたらあの殻の中一杯に身が詰まっているものなのかしら?という予想を裏切って、やっぱり身は小さかった。
有無を言わさずついてきたフライドポテトは完食出来ず。
ビールと食後の珈琲入れて22€。

クンステンの演目は学生でだいたい12€です。
マグリットの美術館は2€。


そう、昼にマグリットの美術館に行ったんです。しかしなんか、あんまり良いと思えませんでした。

日本でTASCHENのマグリット本買うほど好きだったのに、結局、絵に描かれている内容が好きだったんだと分かりました。
実物見てもあんまり何も感じなかった。

というか、
展示の仕方が非常に気に食わなかった。
照明が明る過ぎと角度悪過ぎて、絵の入った額のガラスや油絵の具に反射するのでいちいちイライラした。正面から見られない。
背の高い人が設置したのかしら。

以前は、マグリットの、人の身体や部分を描いた絵が好きだった。
だけど実物を観て、他の作品も観て、一番印象的だったのは建物が山の様に積み上がっている絵。
ぼーっと観ていたら、建物の外壁の色と空の色に吸い込まれそうな感じがした。

軽いんだよね。
いい意味でも悪い意味でもどちらにしろ、重力感がないというか。
現実味がない、とも思った、でもマグリットの絵を見ていて始めてそんなこと思った。始めから現実味なんて無いのに。
神経質な嘘は完璧であるほどファンタジー、迷いのなさ=パワーなのかな。
画面から発する力ってより、画面の向こう側へ引きずりこむ力が強い。



ベルリンで観た、Anselm Kieferの絵がこの旅の中で見つけた最も好きな絵。

黒を基調とした、とても大きな絵。多分6×5mくらいの絵。
平面に色々貼り付けてあるし一応ミクストメディアだと思う。

はじめに近くで見たときには、ただ荒々しい油絵の具と砂の混じった筆跡に木炭のような木や箱みたいなものが貼ってあって、悪い言葉で言えば意味不明で汚なくも見えたその絵が、
数メートル離れて見ると海辺の絵だと気づいた。

恐らく日没の頃で、夕陽が波打ち際に反射して、遠くの方には船が見える。
実際デコボコしている黒い部分より、微かなオレンジの部分が光って見えてくる。
波の音や、夕凪の音も聞こえて来そうなくらいだったし、夕陽が沈むその一瞬が作者にとってどれだけ強烈な印象を与えたのかが伝わってくる気がした。

一応写真を撮ったけど(こっちはOK)、
時間が経つに連れ、きっとこの写真見過ぎて印象が歪曲することは間違いない。残念ながら。
あの日実際観たことや感じたことをどれくらい零さずに居られるのか。
写真撮らなきゃいいのか、とも思ったけど…



あと3本舞台観たら帰る。

2012年5月22日火曜日

BERLIN 5- BRUSSEL 1

プレッツェルうまい。
昨日の遠足のお菓子用に買ったの。
プレッツェルの美味さにベルリン終盤で気がついた。


ブリュッセルに着いた。昨日。

ベルリンからICEに乗った。
ざっつ世界の車窓からの雰囲気の中、見送り来てくれたまいこさんが持たせてくれたひじきご飯のおにぎりを食べる。最高に美味しかった!
(私いつも人からおにぎり恵んでもらう気がする…笑)

そしてケルンで乗換のはずが、到着は40分遅れ。
良い感じに乗継電車は出た後で(乗継30分あったのに!)、振替希望したらタリスに乗れた。
座席も車内照明も紅いという高級感、に少しだけ浸って、ほぼ席なくて立ちっぱなしだった。。
ワインレッドのトイレのドアずっと見てた。

乗換のときちょっとだけ時間あったので、ケルンの駅の外に出たら、目の前にケルン大聖堂が!
びっくり。でっかいの。でかいと言うか、高いの。
そんなに縦に伸ばしちゃう?ってくらい。



なんだかんだでブリュッセルの北駅で降りて、雨の降る中ホテルを探して歩き回る。
陰湿な感じで、印象最悪。人いないし、怖いし。
北駅の方は飾窓とかあって治安も悪いらしい。


というわけで、今日。

まずは夜のKUNSTENのチケットを取りに行き、とりあえず最も観光名所っぽい中心地、グラン・プラスへ行ってみた。
というか、中央駅のその辺りは激しく観光名所らしく、月曜日なのに観光客多過ぎ。
とりあえず弟がワッフル食えと言っていたのを思い出し、3€という不本意な観光価格でワッフル食べた。
美味しかった。

小便小僧もついでに見てきたので(くそちっさい)だいたい観光は終わりか…?

ベルリンの2週間は短く感じたのに、こっからブリュッセル1週間は保つかしら。
あと、マグリットの美術館には行くんだ。



そして夜はKUNSTEN FESTIVALの作品を、今観てきた。

Marcelo Evelinという人の振付で、"MATADOURO"という作品。

が、ね!!!

いやぁ、まじでなんなんだろー、だ。笑
出演者は男7人、女1人。
全員全裸。身体の一箇所にノコギリをガムテで巻いて、頭は賑やかなマスクして、スニーカー履いて、舞台の円周を反時計回りに延々ランニングし続けるという、だけの、ダンス。
とりあえず相当きつそう。
30分経った辺りから帰る人続出。
結局一時間だったけど、こっちも疲れた。

最後にマスクを取るんだけど、最初に取った人がまさかの髭が白くて、笑ってしまった。

それにしても、アヴァンギャルドすぎる…
ぶっとんでる。


話は戻るけど、
ベルリンで最後の方に観た、Rodrigo Sobarzoの"UNITED STATE"という作品もかなりアヴァンギャルドだった、アヴァンギャルドっていうか、人が期待するような"ダンス"じゃなかったんだよね。
終演してから客が席を立たずに、その場でみんな議論してた。
何話してるかは分からんが、まぁ「これはダンスなの?なんなの?」的なことだ、と思う。
内容の説明は長くなって面倒だからいいや。でも音響が最高にナイスだったわ、完璧なオペと神がかったタイミング。
簡単に言えば、パフォーマンスに近い印象。

どっちも、振付っていうかもはや、動作。
でも両者共に結構肩書きや経歴はかなりちゃんとしてる。

結局これまでで最もダンスダンスしてたのは、フォーサイス(と他2人、名前忘れた)の振り付け作品だったなぁ、
あとはDORKY PARKのブレイキンとコンタクト部門の人たち。
まいこさんに話したら、そりゃベルリンのダンス観てないよ!って言われた笑

しょうがない舞台は、何を観れるかもタイミングと運次第。


ベルリンで2週間舞台ばっか観て、ドイツ人の観るものの傾向とかどういう作品がうけるのかは少し分かった気がする。
つまり、派手、そしてリアリズム。
(関係ないけど、ウインドウディスプレイの人がリアル過ぎて、何度振り返ったことか。)

だけどブリュッセルはほんと未知数だ。
まずここに居る人たちの人種が様々過ぎる。街角にはフランス語とオランダ語の標識が必ず並んでいて、でもドイツより英語が通じる。

それでもまぁ、結局舞台を観に来てるのは基本白い人たちばかり、なのだけどね。黄色も割と少ない。
黄色は街にももともと少ないか、とりあえず今日中国人の観光客いっぱい見たけど。


さて明日は…チケット取れるかな。。

2012年5月17日木曜日

BERLIN 4

今、6畳くらいの個室でマニキュア塗った、シンナー中毒なりそ。

ドイツの100円マニキュア、どうか?

総じてこの手のマニキュアはマットと云う名の、二度塗りの間に瓶の中でもたついてくるくせに渇きが遅い最悪なパターン…

超ブルーのマニキュア塗ってみたのだ。



昨日は、やっとフィルハーモニーでちゃんとオケを聞くことが出来ました。

ベルリンフィルじゃないけど。STAATSKAPELLE BERLINって和訳したら何になる?多分公立、的な意味だと思うけど。

ベートーヴェンの交響曲3番"英雄"と、LudwigBirtwistleさんの"Antiphonies fur Klavier und Orchester"って曲、これがごりごりの現代音楽でして、しかもまさかのソリスト(Klavier)はエマールでした。なんか見覚えあるおっさんだなーと思ったら。

最近エマールに当たりすぎ、なんか追っかけみたいになってる。日本でも映画でもベルリンでもエマールを見た。

オケの裏の席(ポディウムって云う、と教わった気がする。)だったけど、15€!学割使えなかったけど、それでもアンビリーバブルに安い。


そりゃまー、良かった!

しかも指揮者のおっさんがめちゃくちゃ面白かった、あまりに入り込み過ぎちゃって、指揮棒置いちゃってるし。

現代音楽の時はかなり混乱している打楽器系の方々の焦り様を観て、客笑ってたし。実際和太鼓とかも使っててとんでもなかった。



オケの出す音の一体感というか、 音を出す人が何人居ても1つの音楽に聴こえるんだよね、やっぱり"音楽"が生き物みたいに聴こえるんだよなー

少なくとも、現代音楽のときに音に迷いが生じる日本のオケみたいなことは全くなかったね笑、ちゃんとこういうのを演奏してるんです、って自信がある音。それだけで、音は何倍もクリアで豊かになる。
英雄は、それはもう綺麗でした。裏であれだけよく響いてるんだから、正面から聴いたらどうなるんだろうか…。



今日はさっき、今更初treffenの作品で"Ein Volksfeid"という作品を観てきました。

演劇なので案の定、客がなんでそこで笑ってんのかはちょっと分かりかねるんだけど、

なんか美術がおかしなことになってたわ。

水が噴水のように溢れてきて舞台が水溜りになって、壁にペンキ塗ってるし、煙草吸ってるし(もう火使うの3つ観たわ)、銃発砲するわ、ドラムセット運んでくるわ、でっかい足のオブジェが吊られてくるわ、、

やることがいちいち大げさでマジなんだよね。

びっくりする。演劇とか芝居どころではない笑 (まぁ正直日本人に比べて通常外国人の話し方がすでに芝居がかっているのだよね、私からすると。 )
これがここの普通なんだろうな。


これをなんて言ったらいいか…

この数日でベルリンで触れるもの全てに思うのは、すべて、

大きい、多い、広い!

とにかく、建物が大きい、食べ物の量が多い、歩道が広い、本が重い、まず人間がでかい。その他もろもろ。


ここ数日指輪を探してるのです、なんかかわいいのないかな、って思ってアクセサリーの店とか見るんだけど、

ここにあるアクセサリー、特に指輪、いちいち飾りが大きくて輪のところも太い。まぁまずサイズが全く合わないんだけどね。

もっと素麺みたいな細さので結構なのですが、とにかくうどんみたいなのばっかなんだよね。



明日はバレエ観ます。
フォーサイスの振付作品なんだって(多分、私の読解が合ってれば) 。

それにしても寒い。
日本は暖かいの?だとしたらなんか悔しいわ。

2012年5月14日月曜日

BERLIN 3

寒いです。
ヒートテック持ってきて良かった、
こんなん絶対使わねーよ、と思ってたのに。
しかも寒すぎて、今日行った蚤の市で思わずストール買ってしまった。
寒いと悲しくなるよ、それにしてもこの寒さで半袖の人とか居るんだけど。意地だね。

ドイツ人暖かくなると嬉しくなっちゃっうんだって、まいこさん曰く。



昨日は昼に子供向けの演劇と、夜にダンスを観ました。

昼はTHEATER UM DER PARKAUEという劇場で、"perter and the wolf"という作品。
なにも知らずに行ったらびっくりした、子供連ればっかりなのだもの。多分小学校上がるか上がらないかくらいの子供ばっかり。
しまった、と思ったけど、観たらかなりシュール過ぎてむしろ子供向けとは思えず。おそらく内容は童話なんだと思うけど。
おっさんとじいさんがかなりシュールな映像と生演奏ワールドミュージックで前説(前座)30分。
その後ブルーライト使った美術とか映像の使い方とか、かっこよすぎ。黒舞台に白い映像で動く美術。
泣き笑う子供。そして子供よりウケてる大人、スタッフ超ウケてるし。何回も観てんだろうに。

こんなん子供の時から観てるのかー、と。劇団ひま○りとは何かが違う笑。子供だからって全く容赦ないシュール。


夜はSOPHIENSAELEでSUDERMANN+SODERBERGの"A TALK"という作品。
ダンスというか、二人の女性が喋ってるような、クラップと細かい仕草とつらつらと声を発している、リズミカルな作品。
すごくシンプル。
だけど物凄く練られていて(というか、すげー練習したんだろうな、という感じ笑、だけどベルリンでいくつか観たもの、なんでもそう思う)、コンセプトが単純で明確。
何がダンス、って訳じゃなくて、彼女たちの持っている方法の名前がたまたま"ダンス"だったんだろうな、なーんて考えたけど、ぼーっと、観ていて楽しかった。



今日の昼の蚤の市では、マイムというかコントのような、パフォーマンスをしている女性がいた。
言葉は無しで、全部表情と仕草で、つまりまぁマイムだよな、通りかかりの人とか無理矢理座れっつって総勢200人くらい居たんじゃない?、たまたま観たんだけど、言葉ないからすごく楽しめた。笑
最後の説明で「英語で言うわ、"give me money!!!"」って思いっきり投げ銭要求してた。面白かった。


そしてSarah Kaneの"Gier"を今、観てきた。
なんかかっこいいんだけど、あれだね、
言葉が分からんと辛い。完全なるシンプルな会話劇だった。
地点を観たジャンフィが、「言葉が分からないから面白さがわからなかった」と言ってたのを思い出す。

なんとなく、
悔しいよな、言葉が分からないのは。
それは毎日すごく感じている。



20日までベルリンに居ることにした。
今日ホテルチェンジ。ヤドカリ探検隊。
街の人は基本的に、バックパッカーには優しいのね、と気付いたよ。
バックパック持ってると話しかけられる。荷物少ないと何も言われない。

ドルトムントの黄色いユニフォーム来た人が昨日から街に沢山いて(昨日試合だったんだって)、「香川はどう?」って聞いたら日本のニュースで聞いてた「かーがーわーしんじ♪」唱ってくれた、電車の中で。
サッカーファンまじ怖い。笑 街中、電車の中、駅、すでに応援モードで叫んでるし、朝のニュースでは何度も通った駅でフーリガンvs警察の戦いが。。暴動だよ、遭遇したくないわ。

2012年5月12日土曜日

雨宿り中 -BERLIN2

今、schaubuhne前のカフェ。

コーヒー1杯でwi-fi貰って粘ってたら、突然の豪雨。
傘もってないから出るに出られない…
まぁ止むまで居ていいよね

午前中、小さめのスタジオ?でパフォーマンスあるっぽかったから行ったら、「今日のプログラムはないよ」だって。
だってパンフレットに今日の公演あるって書いてたじゃん!!しかも2つ書いてあったのに。
まじかよ。

でもなんかここの人たち基本てきとーだから、なんでもいいや。気張ってると逆に疲れるわ。


昨日の夜、今こっちに居るまいこさんとえいじさんに会ったけど、まいこさんとか、なんか超適当になってた。笑
いっぱい話して楽しかった。

でも、そりゃ適当になるよねー
気がついたら、腕時計見てない。もう外してしまった。
電車の中の時計と街頭の時計、時間違うし。


お、止んできた。
さて20時まで少し時間あるから、散策してこよう。

2012年5月10日木曜日

BERLIN 1

さて、私はベルリンに来ました。
27日まで三週間、ベルリンとブリュッセルに居ることにしました。
いつ移動するかも、来週の宿も決めてない感じの旅です。
両地とも演劇祭をやっていてそれを観に行くのが主な目的ですが、まぁ他にも色々観てみようと思っています。


飛行機では、隣に座った福岡のおばさんと仲良くなりました。
スウェーデンのオケにいる娘さんのところへ、孫に会いに行くとのことでした。
福岡の話で盛り上がりました、明太子について話をしました。

あと、しばらく前にネットで見て超楽しみにしてたアルモドバル監督の新作『THE SKIN I LIVE IN』(日本5/26公開)が機内で観れてかなり喜びました。英語字幕だったからきつかったけど、かなり面白い!
機内のプライベートスクリーンとは言え、相当えろぐろな映画真剣に観てしまった、よく機内で流すのに選んだよな。アルモドバルだからかな。
帰りもあったらまた観よう。



さて、時差は7時間。7時間なんて昼型生活と夜型生活行き来してる私には楽勝、と思ってたけど、やっぱり少し疲れ気味で眠い。


昨日は朝食食べた後に早速その辺をふらふらし、とりあえずハンブルグ現代美術館に行ってきました。
かなり面白い展示あったのですが、なにせ広過ぎて、冗談抜きに一日では回れないので、もう一度行こうと思っています。


ベルリンの電車はエリアが決まっていて一日乗り放題券があります。
しかし改札も駅員が確認もしなくて、果たして本当にみんなチケット買っているのか謎。
とりあえず階段降りたら電車乗れてすぐ電車きて、便利です。電車で移動するの好きな私にとっては非常に好都合です。

しかしホテルから最寄りの駅が工事中で使えないらしく(という車内放送がわかってなくて)、手前の駅と始発をなすがまま往復してたら韓国人のおばさんに助けてもらいました。

なんとなく、ドイツの人は「○○したい」と思ったら、じゃあそうすればいいじゃない、という感じなのかしら?と思いました、
電車にチャリも犬も乗せるし、アコーディオン演奏したりいきなり新聞見て喋ったりしてお金貰ってる人いるし(こういう日銭の稼ぎ方なのか?)、電車楽しい。
街も自然が多くてのんびりしてて、とても穏やかです。


夜になるにつれ、意気込んで朝から歩きまくってかつ無駄に色々食べ過ぎ飲み過ぎで、消化不良の吐き気と眠気が止まらなくなりました。
その状態で無理矢理フィルハーモニー行ったのだけど、途中でリタイアしました。

大抵日々一日二食くらいなのに、こっちに来たからって胃が大きくなるわけでもないのです、二日とも朝なぜかきちんと7時に目が覚めて、朝ご飯食べに行こう!っていう変な気合が入ってるので一日が長いのです。貧乏性ってやーね笑
かつ不慣れな言葉で人とたくさん喋って気を張ってたのかもしれないと思いつつ、今日はのんびりめに行動する予定です。

昨日、ベンチに座ってたらおじさんに道を聞かれました。いや、知ってるはずないでしょう!笑 でも結構私馴染んでるようです。
福島や地震のこと聞かれたり(うまく答えられない)、日本に友達が居るんだけど知ってる?って(まさか本当に聞く人居るんだ)質問されたり、うまく喋れない英語をなんとか使っています。


夜には、今こっちに居るまいこさんに会うつもりです。

さて今日はどこへ行こうかしら。

2012年5月5日土曜日

きのう、あさって

これは本物だなぁ となんとなく思う、
音や動き、とか、音楽やダンス

じゃあそれ以外は何でも、嘘なのか?というと決してそういうつもりで観たり聴いたりしてた訳では無いのだけれど、
純粋で、嘘がなく、これが何かしら"本当"や"現実"と観客に思わせてくれる強さを持つものに出会うと、その音楽やダンスは紛れもなく本物だ、と思える気がするのです。
一つの音、一つの身体、装飾を限りなく削いだとしても何千人、何万人もの観客に対峙することのできる強さ。
それは決して狂っているのでは無くて、素直すぎるのです、
音楽とダンスはそういう点で似ているところがあると思う。というか何にでも言えることなのかな
私も、そうなりたいなぁ。
そこに居たいな。

鳴っている音と鳴っていない音があるのが音楽だし、
動いている部分と動いていない部分があるのが見せる動き、ダンス。
一つの言葉で括るにはあまりにもたくさんのものを溢してしまうけれど、
それは例えばざっくりと、一つの考え方としてね、
それはきちんと基礎があり、訓練や鍛錬がなされていてこそ、観る・聴く観客に対峙することができる。

そうではない尺度で感じるべきものも世の中にはきっと沢山あるけれど。



ここに居ても、やっぱり"こうなりたい"と目標とするに十分なものは触れられるのだけど、もっと何か必要なものも、捨ててくるべき不必要なものもたくさんあるような気がして、私は出掛けようと思ったのです。
きっと、今なのです