2012年5月24日木曜日

BRUSSEL 2

今日は観劇お休みです。
チケット取れなかったので。



朝、ホテルから歩いてたら大きな教会がお昼の鐘を鳴らしていたので、つられて入ってみた。

キリストの磔刑の木彫が気になった。
手二箇所と重ねた脚一箇所で人って磔になるのか?とか改めて考えた。

それにしても、キリスト教ってやっぱりすごい。こっちの教会は本当に身がすくむほど綺麗で大きい。

しばらく木彫を見ていたら、1€のろうそく点けて熱心に祈っているおじいさんもいれば、フラッシュ焚いて写真撮る観光客も。
世界でどれだけの人がキリストを信じているのか、想像してみる。
宗教って不思議だ。



さっき、観劇しない代わりにムール貝を食べてみた。
多分、この旅行中最も高価な食事でした。舞台より高い。

貝は美味しかった。
…ムール貝っていつも殻の大きさの割に身が小さいから、本場で食べたらあの殻の中一杯に身が詰まっているものなのかしら?という予想を裏切って、やっぱり身は小さかった。
有無を言わさずついてきたフライドポテトは完食出来ず。
ビールと食後の珈琲入れて22€。

クンステンの演目は学生でだいたい12€です。
マグリットの美術館は2€。


そう、昼にマグリットの美術館に行ったんです。しかしなんか、あんまり良いと思えませんでした。

日本でTASCHENのマグリット本買うほど好きだったのに、結局、絵に描かれている内容が好きだったんだと分かりました。
実物見てもあんまり何も感じなかった。

というか、
展示の仕方が非常に気に食わなかった。
照明が明る過ぎと角度悪過ぎて、絵の入った額のガラスや油絵の具に反射するのでいちいちイライラした。正面から見られない。
背の高い人が設置したのかしら。

以前は、マグリットの、人の身体や部分を描いた絵が好きだった。
だけど実物を観て、他の作品も観て、一番印象的だったのは建物が山の様に積み上がっている絵。
ぼーっと観ていたら、建物の外壁の色と空の色に吸い込まれそうな感じがした。

軽いんだよね。
いい意味でも悪い意味でもどちらにしろ、重力感がないというか。
現実味がない、とも思った、でもマグリットの絵を見ていて始めてそんなこと思った。始めから現実味なんて無いのに。
神経質な嘘は完璧であるほどファンタジー、迷いのなさ=パワーなのかな。
画面から発する力ってより、画面の向こう側へ引きずりこむ力が強い。



ベルリンで観た、Anselm Kieferの絵がこの旅の中で見つけた最も好きな絵。

黒を基調とした、とても大きな絵。多分6×5mくらいの絵。
平面に色々貼り付けてあるし一応ミクストメディアだと思う。

はじめに近くで見たときには、ただ荒々しい油絵の具と砂の混じった筆跡に木炭のような木や箱みたいなものが貼ってあって、悪い言葉で言えば意味不明で汚なくも見えたその絵が、
数メートル離れて見ると海辺の絵だと気づいた。

恐らく日没の頃で、夕陽が波打ち際に反射して、遠くの方には船が見える。
実際デコボコしている黒い部分より、微かなオレンジの部分が光って見えてくる。
波の音や、夕凪の音も聞こえて来そうなくらいだったし、夕陽が沈むその一瞬が作者にとってどれだけ強烈な印象を与えたのかが伝わってくる気がした。

一応写真を撮ったけど(こっちはOK)、
時間が経つに連れ、きっとこの写真見過ぎて印象が歪曲することは間違いない。残念ながら。
あの日実際観たことや感じたことをどれくらい零さずに居られるのか。
写真撮らなきゃいいのか、とも思ったけど…



あと3本舞台観たら帰る。

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