勅使川原三郎氏が荻窪駅からほど近い処に"カラス アパラタス"というスタジオをオープンした。
其処はギャラリーと兼ねる稽古場と、決して大きくはないが狭くはない劇場を併設する施設であり、日々ワークショップや公演、展示が行われるのだそう。
このご時世に劇場と稽古場を併設したスタジオを持つことの出来る舞台芸術家が果たしてどれだけ居るだろうか、ともするとなかなか叶わない夢でもある。
正直、何処からお金がでているのだろうか?と思わないこともない。
だけどそんなこと私としてはどうでもいい、
私は勅使川原さんの舞台が好きで、佐東さんのダンスが好き。
好きというか、素直に憧れる。
それが此処でたくさん見られる。
小さな劇場だからこそ、息遣いすら聞こえるほど近くでこんなに凄いダンスが見られる。
そう思うと、ただただわくわくするのです。
私も舞台に関わる人ではあるが同じことをしようとはゆめゆめ思いもしないし、作品がどう良いのかとかは全く分からない。そういうこと考えるのは放棄した。
ただ唯一無二、なのだよ。圧倒的で、本物。私にとっては。
どうしたらそういう風に踊れるのだろう?
どうしたらこういう舞台が作れるのだろう?
って、初めて見たときから今まで印象は変わらない。
いや、変わらないというか、毎回更新してくるから、毎回新しいから、いつまでもそう思える。
いつまでも先を走っていて欲しい。
そういう意味ではいちファンだけど、ファンという以上に大学院で直接指導を受けたっていう関わりを持ってしまったので、
期待も、憧れも、畏れも、愛おしさも、恐怖も、いろんな感情がある。
しかし、同じ時代に生きていられてよかったと、大げさではあるけれど、思っている。
それは舞台っていうものに関わる問題だから、
つまり演る人と見る人が同じときに生きてないと叶わないことだから。
だから、ただ舞台の作品を客席で見るよりも、今回のような場所ができたことが何よりも嬉しい気持ちです。
足を運ぶ場所が用意されている嬉しさ。
まぁ、こんなに嬉しい気持ちだなんて言ってられるのは、
客出しで出ていらした勅使川原さんに通りすがりに頭下げたら私のこと覚えてくれていて(忘れられてると思ってた笑)、「おお!元気?」ってニコニコしながら声かけてくれたからだと思うんだよね、全く、憎めない人です。
また、行こうと思う。
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